めまいと甲状腺の関係について悩んでいませんか? めまいはつらいだけでなく、その原因が分からなければ不安も募りますよね。実は、めまいは甲状腺機能の異常が原因で起こることもあるのです。この記事では、めまいと甲状腺の関係性について、バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患によるめまいのメカニズム、症状、検査方法、治療法などを詳しく解説します。さらに、他の疾患の可能性や、めまいが起きた時の対処法、日常生活での予防策についてもご紹介します。この記事を読むことで、めまいの原因が甲状腺の異常かもしれないという可能性に気づき、適切な対応策を知ることができます。健康不安を解消し、安心して日常生活を送るためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. めまいと甲状腺の関係性とは?
めまいは、回転しているような感覚、体がふわふわ浮いているような感覚、あるいは目の前が暗くなるような感覚など、さまざまな形で現れます。そして、その原因も多岐にわたります。その中で、甲状腺機能異常症がめまいの原因となることがあることをご存知でしょうか?
甲状腺は、喉仏の下にある蝶のような形をした小さな臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。このホルモンは、体の代謝を調節する重要な役割を担っています。甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になる状態を甲状腺機能亢進症、分泌量が不足する状態を甲状腺機能低下症といいます。これらの状態をまとめて甲状腺機能異常症と呼びます。甲状腺機能異常症は、めまい以外にも様々な症状を引き起こす可能性があります。
1.1 甲状腺機能異常症とは
甲状腺機能異常症は、甲状腺ホルモンの分泌量の異常によって起こる病気の総称です。主なものとして、バセドウ病と橋本病が挙げられます。
1.1.1 バセドウ病
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで起こる病気です。主な症状としては、動悸、息切れ、発汗、体重減少、手の震え、眼球突出などがあります。これらの症状に加えて、めまいが起こることもあります。
1.1.2 橋本病
橋本病は、甲状腺ホルモンが不足する病気です。主な症状としては、倦怠感、むくみ、体重増加、便秘、寒がり、記憶力の低下などがあります。バセドウ病と同様に、めまいを伴う場合もあります。
1.2 めまいを引き起こすメカニズム
甲状腺機能異常症によってめまいが起こるメカニズムはいくつか考えられています。
1.2.1 自律神経の乱れによるめまい
甲状腺ホルモンは自律神経の働きに影響を与えます。甲状腺機能異常症になると、自律神経のバランスが崩れ、めまいが生じやすくなります。特にバセドウ病では、交感神経が優位になり、動悸やめまいなどの症状が現れやすいです。
1.2.2 電解質異常によるめまい
甲状腺機能異常症では、血液中の電解質バランスが乱れることがあります。電解質異常は、めまいだけでなく、筋肉の痙攣や不整脈などを引き起こす可能性があります。
1.2.3 貧血によるめまい
橋本病では、貧血を合併することがあります。貧血になると、酸素を運ぶ赤血球が不足するため、めまいが起こりやすくなります。
疾患 | ホルモン分泌 | 主な症状 |
---|---|---|
バセドウ病 | 過剰 | 動悸、息切れ、発汗、体重減少、手の震え、眼球突出、めまい |
橋本病 | 不足 | 倦怠感、むくみ、体重増加、便秘、寒がり、記憶力の低下、めまい |
2. 甲状腺機能異常症に伴うめまいの症状
甲状腺機能異常症は、様々な症状を引き起こしますが、めまいもその一つです。めまいは、回転性、浮動性、立ちくらみなど、様々な形で現れます。また、めまい以外にも、甲状腺機能異常症に特徴的な症状が現れることもあります。それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。
2.1 回転性めまい
回転性めまいは、周囲がぐるぐると回転しているように感じるめまいです。強い回転性めまいは、吐き気や嘔吐を伴うこともあり、日常生活に大きな支障をきたす場合があります。甲状腺機能異常症によって自律神経が乱れると、内耳の機能に影響を与え、回転性めまいが起こることがあります。
2.2 浮動性めまい
浮動性めまいは、体がフワフワと浮いているような感覚、あるいは地面が揺れているような感覚に襲われるめまいです。ふわふわとした不安定な感覚が持続するため、立っているのが困難になる場合もあります。甲状腺機能異常症による貧血や電解質異常などが原因で、浮動性めまいが生じることがあります。
2.3 立ちくらみ
立ちくらみは、急に立ち上がった際に、一時的に目の前が暗くなったり、クラッとしたりする症状です。甲状腺機能異常症では、自律神経の乱れや貧血などが原因で立ちくらみが起こりやすくなります。立ちくらみは短時間で回復することが多いですが、繰り返す場合は注意が必要です。
2.4 その他の症状
甲状腺機能異常症に伴うめまいは、上記以外にも様々な症状を伴うことがあります。代表的な症状を以下にまとめました。
症状 | 説明 |
---|---|
動悸 | 心臓がドキドキと速く鼓動する症状です。 |
息切れ | 呼吸が速くなったり、息苦しくなる症状です。 |
倦怠感 | 強い疲労感やだるさを感じる症状です。 |
頭痛 | 頭が痛む症状です。 |
耳鳴り | 耳の中で音が鳴っているように感じる症状です。 |
難聴 | 音が聞こえにくくなる症状です。 |
吐き気・嘔吐 | 吐き気を催したり、実際に吐いてしまう症状です。 |
発汗異常 | 異常に汗をかいたり、逆に汗をかきにくくなったりする症状です。 |
これらの症状は、他の病気でも起こりうるため、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。めまいと合わせてこれらの症状が現れた場合は、甲状腺機能異常症の可能性も考慮し、医師に相談しましょう。
3. めまいと甲状腺疾患の検査方法
めまいと甲状腺疾患の関連性を調べるためには、いくつかの検査方法があります。それぞれの検査の特徴を理解し、医師の指示に従って適切な検査を受けることが重要です。
3.1 血液検査
甲状腺機能異常症の診断に最も重要な検査です。血液中の甲状腺ホルモン(T3、T4、TSH)の濃度を測定することで、甲状腺機能の状態を評価します。甲状腺ホルモン以外にも、電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)、赤血球数、ヘモグロビン値なども測定し、めまいの原因となる貧血や電解質異常の有無も確認します。
項目 | 検査内容 | 目的 |
---|---|---|
TSH | 甲状腺刺激ホルモン | 甲状腺機能の低下または亢進を評価 |
FT4 | 遊離サイロキシン | 甲状腺ホルモンの活性型を測定 |
FT3 | 遊離トリヨードサイロニン | 甲状腺ホルモンの活性型を測定 |
電解質 | ナトリウム、カリウム、カルシウムなど | 電解質異常の有無を確認 |
赤血球数、ヘモグロビン値 | 貧血の指標 | 貧血の有無を確認 |
3.2 画像検査
甲状腺の状態を視覚的に確認するために、画像検査が行われることがあります。
3.2.1 甲状腺超音波検査
超音波を用いて甲状腺の大きさ、形状、内部構造などを観察します。甲状腺腫瘍や炎症の有無、バセドウ病における甲状腺の血流増加などを確認できます。
3.2.2 甲状腺シンチグラフィ
放射性ヨウ素を投与し、甲状腺に取り込まれる様子を画像化することで、甲状腺の機能や腫瘍の有無などを評価します。バセドウ病や甲状腺腫瘍の診断に役立ちます。ヨウ素アレルギーのある方は検査前に医師に相談することが重要です。
3.3 その他の検査
必要に応じて、以下の検査が行われることもあります。
3.3.1 心電図検査
甲状腺機能異常症は、心臓にも影響を及ぼすことがあるため、不整脈の有無などを確認するために心電図検査が行われることがあります。
3.3.2 ホルター心電図検査
24時間心電図を記録することで、一過性の不整脈などを検出することができます。
これらの検査結果を総合的に判断し、めまいの原因が甲状腺機能異常症によるものかどうか、他の疾患の可能性があるかどうかなどを判断します。めまいを感じたら自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしてください。
4. 甲状腺機能異常症によるめまいの治療法
甲状腺機能異常症によって引き起こされるめまいは、その根本原因である甲状腺機能の是正が最も重要です。治療法は主に薬物療法、放射線治療、手術療法の3つに分けられます。さらに、これらの治療と並行して、生活習慣の改善も重要です。
4.1 薬物療法
薬物療法は、甲状腺ホルモンの分泌量を調整することで、甲状腺機能を正常化させる治療法です。バセドウ病の場合は、抗甲状腺薬を用いて甲状腺ホルモンの産生を抑えます。橋本病の場合は、甲状腺ホルモン製剤を用いて不足している甲状腺ホルモンを補います。薬の種類や服用量は、個々の症状や検査結果に基づいて医師が決定します。
4.1.1 バセドウ病に対する薬物療法
抗甲状腺薬は、甲状腺ホルモンの合成を阻害することで、過剰なホルモン分泌を抑えます。主な薬剤としては、メルカゾール、プロパジールなどがあります。副作用として、発疹、肝機能障害などが現れる場合があるので、医師の指示に従って服用し、定期的な検査を受けることが重要です。
4.1.2 橋本病に対する薬物療法
甲状腺ホルモン製剤は、不足している甲状腺ホルモンを補うことで、甲状腺機能を正常化させます。主な薬剤としては、チラーヂンS、レボチロキシンナトリウム錠などが挙げられます。服用量は、血液検査の結果を元に調整されます。自己判断で服用量を変えず、医師の指示に従うことが大切です。
4.2 放射線治療
放射線治療は、放射性ヨウ素を内服することで、甲状腺組織を破壊し、甲状腺ホルモンの産生を抑制する治療法です。主にバセドウ病の治療に用いられます。薬物療法で効果が不十分な場合や、手術が困難な場合に検討されます。
放射性ヨウ素内用療法では、放射性ヨウ素を含むカプセルを服用します。このヨウ素は甲状腺に集まり、放射線を放出して甲状腺の細胞を破壊します。治療後、甲状腺機能は低下するため、甲状腺ホルモン製剤の服用が必要になる場合があります。
4.3 手術療法
手術療法は、甲状腺の一部または全部を切除する治療法です。薬物療法や放射線治療で効果が得られない場合や、甲状腺腫が大きい場合に選択されます。バセドウ病、橋本病の両方で適用されることがあります。
手術療法には、甲状腺亜全摘術と甲状腺全摘術があります。甲状腺亜全摘術は甲状腺の一部を残す手術で、甲状腺全摘術は甲状腺の全体を摘出する手術です。手術後は、甲状腺ホルモンの分泌量が減少するため、甲状腺ホルモン製剤の服用が必要になります。
4.4 生活習慣の改善
甲状腺機能異常症の治療において、薬物療法やその他の治療と並行して、生活習慣の改善に取り組むことが重要です。規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理は、甲状腺機能の安定に役立ちます。
項目 | 具体的な内容 |
---|---|
規則正しい生活 | 十分な睡眠時間を確保し、毎日同じ時間に起床・就寝するように心がけましょう。 |
バランスの取れた食事 | 海藻類、大豆製品など、ヨウ素を多く含む食品は適量を摂取するようにし、偏った食事にならないように注意しましょう。 |
適度な運動 | ウォーキングや軽いジョギングなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。 |
ストレス管理 | 趣味やリラックスできる活動を通して、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。 |
これらの治療法は、患者さんの状態に合わせて選択されます。どの治療法が適切かは、医師とよく相談して決めることが大切です。また、治療開始後も定期的な検査を受け、経過観察を行うことが重要です。めまいが改善しない場合や、他の症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。
5. よくある質問
めまいと甲状腺に関するよくある質問にお答えします。
5.1 Q. 甲状腺の病気でめまいが起きたらどうすればいいですか?
甲状腺の病気でめまいが起きた場合は、すぐに医療機関を受診してください。自己判断で対処せず、専門医の診察を受けて適切な検査と治療を受けることが重要です。
めまいは一時的なものから重篤な病気のサインまで様々です。自己判断は危険ですので、必ず医師に相談しましょう。受診の際は、めまいの症状や発症時期、持病などについて詳しく伝えるようにしてください。
5.2 Q. めまい以外の症状に気を付けるべきことはありますか?
甲状腺機能異常症では、めまい以外にも様々な症状が現れることがあります。動悸、息切れ、倦怠感、体重の変化、発汗、手の震え、首の腫れ、眼球突出、精神的な不安定さなど、多岐にわたる症状が現れる可能性があります。これらの症状に気付いた場合は、速やかに医療機関を受診し、検査を受けてください。
バセドウ病 | 橋本病 |
---|---|
動悸、息切れ、多汗、体重減少、手の震え、眼球突出、暑がり、イライラしやすい、微熱 | 倦怠感、体重増加、むくみ、便秘、寒がり、皮膚の乾燥、記憶力の低下、うつ症状 |
5.3 Q. 甲状腺機能異常症は完治しますか?
甲状腺機能異常症の完治については、一概に言えません。バセドウ病の場合は、薬物療法や放射線治療によって甲状腺機能が正常化し、寛解に至るケースが多くあります。しかし、再発の可能性もあるため、定期的な検査と経過観察が必要です。橋本病は、甲状腺機能低下症を引き起こす場合があり、この場合は甲状腺ホルモン剤の服用による治療が必要となります。橋本病自体は完治することはありませんが、適切な治療によって症状をコントロールし、日常生活に支障がない状態を維持することは可能です。どちらの疾患も、自己判断せずに医師の指示に従って治療を継続することが重要です。
6. 他の疾患の可能性
めまいは甲状腺機能異常症以外にも様々な原因で起こることがあります。めまいの症状が続く場合は、他の疾患の可能性も考慮し、医療機関を受診して適切な検査を受けることが重要です。ここでは、めまいを引き起こす可能性のある他の代表的な疾患について解説します。
6.1 メニエール病
メニエール病は、内耳のリンパ液のバランスが崩れることで起こる病気です。回転性のめまい、耳鳴り、難聴が主な症状で、これらの症状が繰り返し発作的に起こるのが特徴です。
6.2 良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症は、内耳にある耳石という小さな結晶が剥がれ落ち、三半規管に入り込むことで起こるめまいです。特定の頭の位置で回転性のめまいが起こり、数秒から数十秒で治まるのが特徴です。比較的短時間で治まりやすいですが、再発することもあります。
6.3 起立性低血圧
起立性低血圧は、立ち上がった時に血圧が急激に低下することで起こるめまいです。立ちくらみやふらつきを感じ、失神してしまう場合もあります。特に高齢者や脱水症状がある方に起こりやすいので注意が必要です。
6.4 その他のめまいを引き起こす疾患
疾患名 | 主な症状 |
---|---|
前庭神経炎 | 突発的な回転性めまい、吐き気、嘔吐 |
脳梗塞・脳出血 | 激しい頭痛、ろれつが回らない、手足の麻痺、意識障害などを伴う場合も |
貧血 | めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、顔面蒼白 |
低血糖 | めまい、ふらつき、冷や汗、動悸、空腹感、意識障害などを伴う場合も |
上記以外にも、めまいを引き起こす疾患は様々あります。自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
7. めまいが起きた時の対処法
めまいが起きた時は、まずは落ち着いて行動することが大切です。慌てて動くと症状が悪化したり、転倒して怪我をする危険性があります。
- 安全な場所に移動する:めまいを感じたら、すぐに安全な場所に移動しましょう。壁や手すりなどに掴まる、椅子に座るなどして転倒を防ぎます。
- 安静にする:めまいが治まるまでは、安静にして横になりましょう。暗い静かな場所で目を閉じると、症状が落ち着きやすくなります。
- 水分を補給する:脱水症状があると、めまいが悪化することがあります。水分をこまめに摂取するようにしましょう。
- めまいを悪化させる行動を避ける:激しい運動、飲酒、喫煙、カフェインの過剰摂取などは、めまいを悪化させる可能性があります。めまいが治まるまでは、これらの行動は控えましょう。
8. 予防と日常生活の注意点
めまいを予防するためには、日常生活の中で以下の点に注意することが重要です。
- 規則正しい生活習慣:睡眠不足や不規則な生活は、自律神経のバランスを崩し、めまいを引き起こす原因となります。規則正しい生活を心がけましょう。
- バランスの取れた食事:栄養バランスの取れた食事を摂ることは、健康維持に不可欠です。特に、貧血はめまいの原因となるため、鉄分を多く含む食品を積極的に摂取しましょう。
- 適度な運動:適度な運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果があります。ウォーキングや軽いジョギングなど、無理のない範囲で体を動かすようにしましょう。
- ストレス管理:ストレスは、自律神経の乱れを引き起こし、めまいの原因となることがあります。ストレスを溜め込まないように、リラックスできる時間を作る、趣味を楽しむなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
めまいは様々な原因で起こる症状であり、原因によっては重篤な病気が隠れている可能性もあります。めまいが続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
9. めまいが起きた時の対処法
めまいが起こると、不安や恐怖を感じてしまうものです。落ち着いて行動するために、めまいが起きた時の対処法を覚えておきましょう。
9.1 安全な場所に移動する
めまいを感じたら、すぐに安全な場所に移動しましょう。周囲に危険な物がないか確認し、転倒や事故を防ぐことが大切です。もし、運転中であれば、安全な場所に車を停車させてください。
9.2 安静にする
安全な場所に移動したら、横になって安静にしましょう。楽な姿勢で休み、めまいが落ち着くまで待ちます。急に立ち上がると、めまいが再発する可能性があるので注意が必要です。
9.3 水分を補給する
脱水症状もめまいの原因の一つです。めまいを感じたら、水分をこまめに補給するようにしましょう。ただし、カフェインやアルコールを含む飲み物は避け、水やスポーツドリンクなどを摂取するのがおすすめです。
9.4 めまいを悪化させる行動を避ける
めまいを悪化させる可能性のある行動は避けましょう。具体的には、下記のような行動です。
避けるべき行動 | 理由 |
---|---|
明るい光を見る | めまいを増強させる可能性があります。 |
急に立ち上がる | 血圧の急激な変化により、めまいが悪化する可能性があります。 |
激しい運動をする | 体力の消耗や脱水を招き、めまいを悪化させる可能性があります。 |
画面を長時間見る | 眼精疲労や自律神経の乱れを引き起こし、めまいを悪化させる可能性があります。 |
これらの対処法を試してもめまいが改善しない場合や、頻繁にめまいが起こる場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしてください。
10. 予防と日常生活の注意点
めまいと甲状腺機能異常症の関連性を理解し、日常生活でできる予防策を実践することで、症状の悪化を防ぎ、健康な毎日を送る助けとなります。規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理は、甲状腺の健康だけでなく、全身の健康にも繋がります。
10.1 規則正しい生活習慣
睡眠不足や不規則な生活は、自律神経のバランスを崩し、甲状腺ホルモンの分泌にも影響を与え、めまいを誘発する可能性があります。毎日同じ時間に起床・就寝し、十分な睡眠時間を確保するように心がけましょう。質の良い睡眠は、体の機能を回復させ、免疫力を高めるためにも重要です。
10.2 バランスの取れた食事
甲状腺ホルモンの合成には、ヨウ素をはじめ、様々な栄養素が関わっています。特定の栄養素に偏ることなく、バランスの良い食事を摂ることで、甲状腺の機能を正常に保ちましょう。特に、昆布やワカメなどの海藻類に含まれるヨウ素は、甲状腺ホルモンの材料となるため、適度に摂取することが大切です。ただし、過剰摂取は逆効果となる場合もあるので、注意が必要です。
その他、甲状腺機能に影響を与える栄養素と、それらを多く含む食品の例を以下に示します。
栄養素 | 食品例 | 働き |
---|---|---|
セレン | カツオ、マグロ、いわし、卵 | 甲状腺ホルモンの活性化を助ける |
亜鉛 | 牡蠣、牛肉、レバー、アーモンド | 甲状腺ホルモンの合成に関与 |
鉄 | レバー、ほうれん草、小松菜 | 貧血予防(貧血はめまいの原因となる) |
これらの食品をバランス良く取り入れることで、甲状腺の健康をサポートしましょう。過剰摂取は体に負担をかける場合があるので、適量を心がけてください。
10.3 適度な運動
適度な運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果があります。ウォーキングや軽いジョギングなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。ただし、激しい運動は甲状腺ホルモンの分泌に影響を与える可能性があるので、避けるようにしてください。
10.4 ストレス管理
ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、甲状腺機能にも悪影響を及ぼします。ストレスを溜め込まないよう、趣味やリラックスできる時間を持つ、十分な睡眠をとるなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。また、過度なストレスを感じている場合は、一人で抱え込まず、家族や友人、専門家に相談することも大切です。
11. まとめ
めまいは、回転性、浮動性、立ちくらみなど様々な形で現れ、その原因の一つに甲状腺機能異常症が挙げられます。バセドウ病や橋本病といった甲状腺の病気は、自律神経の乱れや電解質異常、貧血などを引き起こし、結果としてめまいが生じる可能性があります。めまいを感じたら、自己判断せず、医療機関を受診し、血液検査や画像検査など適切な検査を受けることが重要です。甲状腺機能異常症と診断された場合は、薬物療法、放射線治療、手術療法など、病状に合わせた治療が行われます。日常生活では、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理を心がけ、めまいを予防しましょう。その他、メニエール病など、甲状腺以外の原因でめまいが起こる可能性もあるため、気になる症状があれば医師に相談することが大切です。めまいを感じた際は、安全な場所で安静にし、水分を補給し、症状を悪化させる行動は避けましょう。お困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
コメントを残す