めまいと低血圧、どちらも経験したことがあるという方も多いのではないでしょうか。実は、この二つは密接に関係していることがあります。めまいを感じるときは、低血圧も併発している可能性も。このページでは、めまいと低血圧の関係性について詳しく解説します。低血圧でめまいが起きるメカニズムや、低血圧以外のめまいの原因、さらにめまいの種類別の症状についても分かりやすく説明。低血圧の症状チェックリストや、めまいと低血圧が同時に起こった場合の危険性についてもご紹介します。自宅でできる対処法や、病院を受診する目安もまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
1. めまいと低血圧の関係
めまいと低血圧は、一見無関係のように思えますが、実は密接な関係がある場合があります。めまいは、回転しているような感覚や、体がフワフワと浮いているような感覚、あるいは体が揺れているような感覚など、様々な形で現れます。そして、これらのめまいの原因の一つとして、低血圧が挙げられるのです。
1.1 低血圧でめまいが起こるメカニズム
低血圧になると、血液が重力に逆らって脳に十分に送られにくくなります。すると、脳への酸素供給が不足し、めまいが生じることがあります。特に、急に立ち上がった時などに起こりやすいのが特徴です。これは、体位の変化によって一時的に血圧が下がるためです。脳への血流が不足することで、酸素供給が滞り、めまいだけでなく、ふらつきや立ちくらみなどの症状が現れることもあります。
1.2 低血圧以外のめまいの原因
めまいの原因は低血圧だけではありません。様々な原因が考えられます。主なものとしては、以下のものがあります。
分類 | 原因 | 症状の特徴 |
---|---|---|
耳の病気 | メニエール病、良性発作性頭位めまい症など | 回転性のめまい、耳鳴り、難聴などを伴うことが多い |
脳の病気 | 脳梗塞、脳出血など | 激しいめまい、頭痛、嘔吐、意識障害などを伴う場合があり、緊急を要する |
その他の病気 | 貧血、自律神経失調症、不整脈など | それぞれの病気に特徴的な症状を伴う |
その他の要因 | ストレス、睡眠不足、薬の副作用など | 生活習慣の見直しが必要な場合もある |
このように、めまいの原因は多岐にわたるため、自己判断は危険です。めまいが続く場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが重要です。
2. めまいの種類とそれぞれの症状
めまいにはいくつかの種類があり、それぞれ症状が異なります。自分のめまいがどの種類に当てはまるのかを知ることで、原因の特定や適切な対処に繋がります。
2.1 回転性めまい
回転性めまいは、周囲がぐるぐると回転しているように感じるめまいです。自分自身や周囲が回転しているように感じ、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。多くの場合、内耳の異常が原因で起こります。
2.2 浮動性めまい
浮動性めまいは、体がフワフワと浮いているような感覚、または地面が揺れているような感覚に襲われるめまいです。ふわふわとした浮遊感や、体が揺れているような感覚が特徴です。不安定感や歩行困難を伴うこともあります。自律神経の乱れや脳血管障害などが原因として考えられます。
2.3 動揺性めまい
動揺性めまいは、体が揺れている、傾いているような感覚に陥るめまいです。立っていられないような不安定感や、体が傾く感覚があり、特に歩き始めや方向転換時に強く感じることがあります。小脳や脳幹の異常などが原因として考えられます。
2.4 その他のめまい
上記以外にも、様々な種類のめまいがあります。例えば、目の前が暗くなる、意識が遠のくようなめまいは、貧血や低血圧などが原因で起こることがあります。また、頭重感や立ちくらみなども、めまいの一種として捉えられることがあります。原因が特定できないめまいもあります。
めまいの種類 | 症状 | 考えられる原因 |
---|---|---|
回転性めまい | 自分自身や周囲が回転しているように感じる | 内耳の異常など |
浮動性めまい | ふわふわとした浮遊感や、体が揺れているような感覚 | 自律神経の乱れ、脳血管障害など |
動揺性めまい | 立っていられないような不安定感や、体が傾く感覚 | 小脳や脳幹の異常など |
その他のめまい | 目の前が暗くなる、意識が遠のく、頭重感、立ちくらみなど | 貧血、低血圧など |
これらの症状はあくまで一般的なものであり、必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありません。めまいの症状や程度は個人差が大きく、原因も様々です。自己判断せずに、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。
3. 低血圧の症状チェック
低血圧は、めまいだけでなく様々な症状を引き起こす可能性があります。ご自身の状態を把握するために、以下の症状チェックリストをご確認ください。
3.1 低血圧の基準値
一般的に、最高血圧が100mmHg未満、最低血圧が60mmHg未満の場合を低血圧と呼びます。ただし、基準値はあくまで目安であり、普段から血圧が低い方でも症状がなければ問題ない場合もあります。逆に、普段から血圧が高い方が急に血圧が下がると、めまいなどの症状が現れやすくなります。
3.2 低血圧に伴う他の症状
低血圧に伴い、めまい以外にも様々な症状が現れることがあります。代表的な症状は以下の通りです。
症状 | 説明 |
---|---|
倦怠感 | 体がだるく、疲れやすい状態です。朝起きるのがつらい、日中も眠気が強いといった症状が現れることもあります。 |
頭痛 | 頭が重く感じる、締め付けられるような痛みなど、様々な種類の頭痛が現れることがあります。 |
吐き気 | 胃の不快感や、嘔吐しそうになるといった症状です。実際に嘔吐してしまう場合もあります。 |
食欲不振 | 食事を美味しく感じない、食べたいと思わないなど、食欲が低下した状態です。 |
立ちくらみ | 急に立ち上がった際に、目の前が暗くなる、クラッとするといった症状です。失神してしまう場合もあります。 |
集中力の低下 | ぼーっとしてしまう、考えがまとまらないなど、集中力が持続しにくい状態です。 |
肩こり | 肩や首が凝り固まっているように感じ、痛みを伴う場合もあります。 |
手足の冷え | 手足の先が冷たく感じる症状です。特に冬場に症状が悪化しやすい傾向があります。 |
動悸 | 心臓がドキドキと速く鼓動するのを感じます。息苦しさや胸の痛みを伴う場合もあります。 |
息切れ | 少し動いただけでも息苦しくなる症状です。 |
これらの症状は、低血圧以外にも様々な原因で起こり得るため、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。複数の症状が当てはまる場合や、症状が重い場合は、早めに相談しましょう。
4. めまいと低血圧が同時に起こる場合の危険性
めまいと低血圧が同時に起こる場合、いくつかの危険な病気が隠れている可能性があります。自己判断せずに、医療機関への受診を検討することが重要です。
4.1 起立性調節障害
起立性調節障害は、立ち上がった際に血圧が急激に低下し、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れなどの症状が現れる病気です。特に思春期の子供に多く見られます。自律神経の機能が未発達であることや、急激な成長による循環血液量の増加などが原因として考えられています。
4.2 貧血
貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが減少した状態です。酸素を全身に運ぶ能力が低下するため、めまいや立ちくらみ、動悸、息切れ、倦怠感などの症状が現れます。鉄欠乏性貧血やビタミンB12欠乏性貧血など、さまざまな種類があります。
4.3 脱水症状
脱水症状は、体内の水分が不足した状態です。発汗や下痢、嘔吐などによって水分が失われると、血液量が減少し、血圧が低下しやすくなります。めまいや立ちくらみのほか、頭痛、倦怠感、吐き気などの症状が現れます。暑い時期や運動後などは特に注意が必要です。
4.4 心疾患
心疾患には、狭心症や心筋梗塞、不整脈など、さまざまな種類があります。心臓の機能が低下すると、全身に十分な血液を送ることができなくなり、めまいや立ちくらみ、動悸、息切れなどの症状が現れることがあります。胸の痛みや圧迫感などの症状を伴う場合は、緊急の対応が必要です。
4.5 脳血管疾患
脳血管疾患には、脳梗塞や脳出血などがあります。脳への血流が阻害されると、めまいやふらつき、頭痛、吐き気、言語障害、意識障害などの症状が現れることがあります。突然の激しいめまいや半身の麻痺、意識消失などを伴う場合は、一刻も早く救急車を呼ぶ必要があります。
疾患名 | 主な症状 | 注意点 |
---|---|---|
起立性調節障害 | 立ちくらみ、めまい、動悸、息切れ | 思春期に多い |
貧血 | めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、倦怠感 | 鉄欠乏性貧血など、種類がある |
脱水症状 | めまい、立ちくらみ、頭痛、倦怠感、吐き気 | 暑い時期や運動後に注意 |
心疾患 | めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、胸痛 | 緊急の対応が必要な場合も |
脳血管疾患 | めまい、ふらつき、頭痛、吐き気、意識障害 | 緊急の対応が必要 |
5. めまいと低血圧を感じた時の対処法
めまいと低血圧を感じた時は、落ち着いて行動することが大切です。まずは安全な場所に移動し、楽な姿勢をとるようにしましょう。横になるのが一番良いですが、難しい場合は座って頭を低くするだけでも効果があります。
5.1 すぐにできる対処法
めまいや立ちくらみが起きた時は、以下の方法を試してみてください。
対処法 | 説明 |
---|---|
横になる | めまいが強い場合は、安全な場所で横になりましょう。可能であれば足を少し高くすると、血流が心臓に戻りやすくなります。 |
座る | 横になるのが難しい場合は、椅子に座り、頭を膝の間に入れるか、机に伏せるようにしましょう。 |
水分補給 | 脱水症状の可能性もあるため、水やスポーツドリンクなどをゆっくりと飲みましょう。ただし、冷たい飲み物は避け、常温か温かいものがおすすめです。 |
深呼吸 | ゆっくりと深呼吸を繰り返すことで、リラックス効果が得られ、めまいが軽減されることがあります。 |
冷たいタオルで冷やす | 額や首の後ろを冷たいタオルで冷やすと、気分が落ち着くことがあります。 |
5.2 日常生活での注意点
めまいと低血圧を予防するためには、日常生活での注意点も大切です。
注意点 | 説明 |
---|---|
規則正しい生活 | 睡眠不足や不規則な生活は、自律神経のバランスを崩し、めまいや低血圧を悪化させる可能性があります。十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活を心がけましょう。 |
バランスの良い食事 | 栄養バランスの取れた食事は、健康維持に不可欠です。特に、鉄分やビタミンB12は、貧血予防に重要です。 |
適度な運動 | 適度な運動は、血行を促進し、めまいや低血圧の予防に効果的です。ウォーキングなどの軽い運動から始めてみましょう。 |
水分をこまめに摂る | 脱水症状は、めまいや低血圧を引き起こす原因の一つです。特に夏場や運動後は、こまめに水分を補給するようにしましょう。 |
急な動作を避ける | 急に立ち上がったり、姿勢を変えたりすると、めまいや立ちくらみが起こりやすくなります。動作はゆっくりと行うようにしましょう。 |
アルコール、カフェインの過剰摂取を避ける | アルコールやカフェインは利尿作用があり、脱水症状を招く可能性があります。過剰な摂取は控えましょう。 |
入浴時の注意点 | 長時間の入浴や熱いお風呂は、血圧を低下させる可能性があります。ぬるめのお湯に短時間つかるようにしましょう。また、入浴前後に水分補給をすることも大切です。 |
これらの対処法を試しても改善が見られない場合や、症状が悪化する場合は、医療機関への受診を検討しましょう。
6. 病院に行く目安
めまいや低血圧は、一時的なもので自然に回復することもありますが、深刻な病気が隠れている可能性もあるため、適切なタイミングで医療機関を受診することが重要です。以下の症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
6.1 めまいと低血圧が続く場合
めまいや低血圧が数日以上続く場合は、何らかの underlying condition がある可能性があります。自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けてください。
6.2 突然の激しいめまいや低血圧
突然の激しいめまいや急激な血圧低下は、緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。一刻も早く医療機関を受診してください。救急車を呼ぶことも検討してください。
6.3 意識消失を伴う場合
めまいや低血圧に伴って、意識消失(失神)が起きた場合は、非常に危険な状態です。すぐに救急車を呼び、医療機関を受診してください。
6.4 その他の危険なサイン
以下の症状を伴う場合は、重篤な病気が隠れている可能性があるため、迅速な医療対応が必要です。すぐに医療機関を受診するか、救急車を呼んでください。
症状 | 説明 |
---|---|
激しい頭痛 | いつもと違う激しい頭痛やめまいを伴う頭痛は、クモ膜下出血などの危険な兆候である可能性があります。 |
胸の痛み | めまいや低血圧に加えて胸の痛みがある場合は、心筋梗塞などの心疾患の可能性があります。 |
ろれつが回らない | ろれつが回らない、言葉が出てこないなどの症状は、脳梗塞などの脳血管疾患のサインである可能性があります。 |
手足のしびれ | 手足のしびれや麻痺は、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患のサインである可能性があります。 |
激しい嘔吐 | 繰り返す激しい嘔吐は、脱水症状を悪化させ、めまいや低血圧をさらに深刻化させる可能性があります。 |
高熱 | 高熱を伴うめまいや低血圧は、感染症などの可能性があります。 |
上記の症状以外にも、いつもと違う症状や気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関に相談することが大切です。早期発見・早期治療のためにも、少しでも不安を感じたら、ためらわずに医療機関を受診しましょう。
7. 病院で受ける検査
めまいや低血圧の症状で病院を受診すると、様々な検査が行われます。症状や医師の判断によって検査内容は異なりますが、ここでは一般的な検査についてご説明します。
7.1 問診
まずは、現在の症状や発症時期、症状の頻度、持病、服用中の薬などについて詳しく聞かれます。めまいの種類や低血圧以外の症状についても伝えるようにしましょう。また、生活習慣や過去の病歴なども重要な情報となるため、正確に伝えることが大切です。
7.2 血圧測定
低血圧の診断には、血圧測定が不可欠です。安静時の血圧だけでなく、起立時の血圧の変化も確認することで、起立性低血圧の有無を調べます。血圧測定は複数回行われる場合もあります。
7.3 血液検査
血液検査では、貧血や脱水症状、電解質異常、甲状腺機能異常など、めまいや低血圧に関連する様々な病気を調べることができます。貧血は、赤血球やヘモグロビンの量が減少することで酸素供給が不足し、めまいを引き起こすことがあります。脱水症状は、体内の水分量が不足することで血圧が低下し、めまいが生じることがあります。電解質異常や甲状腺機能異常も、めまいや低血圧の原因となることがあります。
7.4 心電図
心電図検査では、心臓の活動状態を調べます。不整脈や心筋梗塞など、心臓に異常があると、めまいや低血圧の症状が現れることがあります。心電図検査は、体に電極を貼り付けて心臓の電気的活動を記録する検査で、痛みを伴うことはありません。
7.5 その他の検査
上記の検査以外にも、必要に応じて様々な検査が行われます。以下に、代表的な検査をまとめました。
検査名 | 検査内容 |
---|---|
頭部CT検査/MRI検査 | 脳腫瘍や脳梗塞など、脳の異常がないかを確認します。 |
ホルター心電図 | 24時間心電図を記録し、不整脈の有無を詳しく調べます。 |
脳波検査 | てんかん発作など、脳の電気的活動を調べます。 |
聴力検査 | 内耳の異常によるめまいの有無を調べます。 |
平衡機能検査 | めまいやふらつきの原因を特定するための検査です。 |
8. まとめ
めまいと低血圧は、それぞれ単独で起こることもあれば、関連して起こることもあります。低血圧によって脳への血流が不足することでめまいが生じる場合や、起立性調節障害のように、自律神経の不調が原因で両方の症状が現れる場合もあります。めまいの種類は回転性、浮動性、動揺性など様々で、それぞれ原因や症状が異なります。低血圧にも、脱水や貧血など様々な原因が考えられます。めまいと低血圧が同時に起こる場合は、重大な疾患が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。特に、突然の激しいめまいや意識消失を伴う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。日常生活では、水分をこまめに摂り、急な立ち上がりを避けるなど、めまいや低血圧を予防する対策を心がけましょう。少しでも気になる症状があれば、自己判断せずに医療機関に相談することが大切です。
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