突然のめまいに襲われて、更年期障害を疑っていませんか?めまいは更年期の代表的な症状の一つですが、他の原因で起こる場合もあります。更年期になるとホルモンバランスや自律神経の乱れが生じ、めまいを引き起こしやすくなります。このページでは、更年期とめまいの関係性について詳しく解説し、めまいの種類や更年期障害の他の症状、セルフチェックリスト、めまいが起きた時の対処法や更年期によるめまいの改善策、受診の目安などをご紹介いたします。この記事を読むことで、更年期におけるめまいの原因や対処法を理解し、不安を軽減できるでしょう。つらいめまいを少しでも楽にするために、ぜひ最後までお読みください。
1. 更年期にめまいが起こる原因
更年期にめまいが起こる原因は様々ですが、主にホルモンバランスの乱れや自律神経の乱れが関係しています。また、更年期以外の原因でめまいが起こることもあります。
1.1 ホルモンバランスの乱れとめまいの関係
更年期には、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に減少します。エストロゲンは、自律神経の働きを調整する作用もあるため、エストロゲンの減少によって自律神経が乱れ、めまいが生じやすくなると考えられています。また、エストロゲンは脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌にも関わっています。セロトニンは精神の安定に関わる物質であり、その減少もめまいに繋がると考えられています。
1.2 自律神経の乱れとめまいの関係
自律神経は、体温調節や呼吸、消化など、生命活動を維持するために重要な役割を果たしています。自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、これらがバランスよく働くことで健康が保たれています。しかし、更年期にはホルモンバランスの乱れから自律神経のバランスが崩れやすくなり、めまいなどの様々な不調が現れやすくなります。めまい以外にも、ホットフラッシュ、のぼせ、発汗、動悸、息切れ、頭痛、肩こり、倦怠感、イライラ、不安感、抑うつ気分などの症状が現れることがあります。
1.3 更年期以外のめまいの原因
めまいは更年期以外にも様々な原因で起こることがあります。主な原因としては、以下のものがあげられます。
分類 | 原因 | 症状の特徴 |
---|---|---|
耳の病気 | メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎など | 回転性のめまい、耳鳴り、難聴などを伴うことが多いです。 |
脳の病気 | 脳梗塞、脳出血、小脳出血など | 激しいめまい、頭痛、嘔吐、意識障害などを伴う場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。 |
その他の病気 | 貧血、低血圧、不整脈、起立性調節障害など | めまい以外にも、立ちくらみや動悸、息切れなどの症状が現れることがあります。 |
薬の副作用 | 降圧剤、睡眠薬、抗不安薬など | 服用している薬が原因でめまいが起こる場合があるので、医師に相談することが重要です。 |
精神的な原因 | ストレス、不安、緊張など | 精神的なストレスが原因でめまいが起こる場合、リラックスする時間を作る、ストレスを軽減する方法を見つけるなど、工夫してみましょう。 |
更年期には、これらの病気が併発することもあります。自己判断せずに、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。
2. めまいと更年期障害の症状チェック
めまいと更年期障害は密接に関係していることがあります。更年期障害の症状としてめまいが現れる場合、他の更年期症状も併発している可能性があります。ご自身の症状を把握し、適切な対応をするために、以下のチェックリストをご活用ください。
2.1 めまいの種類
めまいにはいくつかの種類があります。自分がどのタイプのめまいに悩まされているのかを把握することは、原因を特定し、適切な対処法を見つける上で重要です。
2.1.1 回転性めまい
回転性めまいは、周囲がぐるぐると回転しているように感じるめまいです。まるで自分が回転しているかのように感じたり、周囲の景色が回転しているように感じたりします。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
2.1.2 浮動性めまい
浮動性めまいは、ふわふわと浮いているような感覚、または体が揺れているような感覚のめまいです。地面が揺れているような感覚や、雲の上を歩いているような感覚と表現されることもあります。不安定感やふらつきを伴うことがあります。
2.1.3 動揺性めまい
動揺性めまいは、体が揺れている、または傾いているような感覚のめまいです。立っていられないような感覚や、倒れそうになる感覚を伴うこともあります。歩行が困難になる場合もあります。
2.2 更年期障害の代表的な症状
更年期障害の症状は多岐に渡ります。めまい以外にも様々な症状が現れる可能性があります。ご自身の症状を把握し、更年期障害の可能性について考えてみましょう。
2.2.1 めまい以外の症状
症状 | 説明 |
---|---|
ホットフラッシュ | 突然の体のほてりや発汗です。特に顔や首、胸などに症状が現れやすいです。 |
のぼせ | 顔や頭が熱くなる感覚です。ホットフラッシュと同時に起こることもあります。 |
発汗 | 過剰な汗をかきます。特に夜間や睡眠中に汗をかくことがあります。 |
冷え | 手足などの末端が冷える症状です。夏場でも冷えを感じる場合があります。 |
肩こり | 肩の筋肉が緊張し、痛みやだるさを感じます。 |
頭痛 | 頭が締め付けられるような痛みや、ズキズキとした痛みを感じます。 |
不眠 | 寝つきが悪かったり、途中で目が覚めたり、熟睡できないなど、睡眠に問題が生じます。 |
イライラ | 些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなることがあります。 |
不安感 | 漠然とした不安や、将来に対する不安を感じることがあります。 |
抑うつ気分 | 気分が落ち込んだり、何事にもやる気が起きない状態が続きます。 |
2.2.2 セルフチェックリスト
以下の項目に当てはまるものが多い場合、更年期障害の可能性があります。医療機関への相談も検討してみましょう。
- めまいがする
- ホットフラッシュがある
- のぼせやすい
- 汗をかきやすい
- 冷えを感じる
- 肩こりがひどい
- 頭痛がする
- 不眠気味である
- イライラしやすい
- 不安を感じやすい
- 気分が落ち込みやすい
これらの症状は更年期障害以外にも様々な原因で起こり得るため、自己判断せず、気になる症状がある場合は医療機関に相談することが大切です。
3. 更年期やめまいを悪化させる生活習慣
更年期障害によるめまいは、日常生活の様々な要因によって悪化することがあります。ご自身の生活習慣を見直し、改善できる点がないか確認してみましょう。
3.1 睡眠不足
睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、めまいを悪化させる可能性があります。質の良い睡眠を十分にとることは、更年期症状の緩和に繋がります。
規則正しい睡眠スケジュールを維持し、寝る前にカフェインを摂取したり、スマートフォンを長時間使用したりすることは避けましょう。
寝室の環境を整えることも大切です。室温や湿度を快適に保ち、光や音を遮断することで、より深い睡眠を得ることができます。
3.2 ストレス
ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、めまいの原因となることがあります。更年期はホルモンバランスの変動によって心身ともに負担がかかりやすい時期です。ストレスをため込まないよう、自分なりのストレス解消法を見つけることが重要です。
例えば、軽い運動やヨガ、アロマテラピー、読書、音楽鑑賞など、リラックスできる時間を持つように心がけましょう。 また、友人や家族に話を聞いてもらうことも効果的です。
3.3 食生活の乱れ
食生活の乱れは、更年期障害の症状を悪化させる可能性があります。栄養バランスの取れた食事を心がけることで、体の内側から健康を維持し、めまいなどの症状を軽減することができます。
良い食習慣 | 避けるべき食習慣 |
---|---|
野菜、果物、大豆製品、海藻、魚などをバランスよく摂取する | インスタント食品や加工食品、過剰な糖分や脂質の摂取 |
規則正しい時間に食事を摂る | 暴飲暴食や過度なダイエット |
水分をこまめに摂取する | アルコールの過剰摂取 |
3.4 運動不足
適度な運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果があります。ウォーキングや軽いジョギング、ヨガ、ストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。
運動をすることで、ストレス解消にも繋がり、更年期障害の症状緩和に役立ちます。ただし、激しい運動は逆効果になる場合があるので、自分の体調に合わせて行うことが大切です。
4. めまいが起きた時の対処法
めまいが起きた時は、落ち着いて行動することが大切です。まずは身の安全を確保し、楽な姿勢で安静にすることが重要です。めまいの症状は様々ですが、症状に合わせた適切な対処をすることで、めまいを早く収束させ、不安を軽減することができます。
4.1 安全な場所を確保する
突然めまいが起きた時は、転倒や事故に繋がる可能性があります。転倒や事故に繋がる可能性があります周囲の安全を確認し、安全な場所に移動しましょう。もし、階段や道路など危険な場所にいた場合は、すぐにその場を離れて安全な場所に移動することが重要です。近くに壁や手すりがあれば、つかまってください。座れる場所があれば座りましょう。周りの人に助けを求めることも有効です。
4.2 横になる
安全な場所を確保したら、横になりましょう。横になることで、めまいによる不快感を軽減することができます。可能であれば、頭を少し高くして横になると、さらに効果的です。楽な姿勢で安静にすることが大切です。楽な姿勢で安静にすることが大切ただし、吐き気を伴う場合は、無理に横になる必要はありません。楽な姿勢を保ちましょう。
4.3 水分を補給する
めまいを感じている時は、体内の水分が不足している可能性があります。脱水症状はめまいを悪化させることがあるため、水分をこまめに補給するようにしましょう。常温の水やスポーツドリンクなどがおすすめです。常温の水やスポーツドリンクなどがおすすめです冷たい飲み物やカフェインを含む飲み物は、めまいを悪化させる可能性があるので避けましょう。ゆっくりと少量ずつ飲むようにしてください。
4.4 めまいを和らげるツボ
めまいの症状を和らげるのに効果があるとされているツボがいくつかあります。ツボ押しは、めまい以外にも様々な症状に効果があるとされています。ご自身の体調に合わせて、無理のない範囲で行ってください。ご自身の体調に合わせて、無理のない範囲で行ってください以下の表に代表的なツボとその位置、押し方をまとめました。
ツボの名前 | 位置 | 押し方 |
---|---|---|
天柱(てんちゅう) | うなじの髪の生え際、左右の太い筋肉の外側 | 人差し指と中指を重ねて、ゆっくりと押します。 |
翳風(えいふう) | 耳たぶの後ろ、あごの骨の付け根のくぼみ | 親指で優しく押します。 |
百会(ひゃくえ) | 頭のてっぺん、両耳の穴を結んだ線と、眉間から頭頂部へ線を引いた線が交わる点 | 中指で優しく押します。 |
これらの対処法を試してもめまいが改善しない場合、または症状が悪化する場合は、医療機関への受診を検討しましょう。
5. 更年期によるめまいの改善策
更年期によるめまいを改善するためには、多角的なアプローチが重要です。生活習慣の見直し、ホルモン補充療法、漢方薬、サプリメントなど、様々な方法があります。ご自身の症状や体質に合った方法を選び、継続することが大切です。
5.1 生活習慣の改善
更年期障害の症状は、生活習慣の乱れによって悪化することがあります。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、規則正しい生活を送りましょう。
5.1.1 食生活
栄養バランスの良い食事は、更年期障害の症状緩和に役立ちます。特に、女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンや、骨の健康を維持するカルシウム、ビタミンDなどを積極的に摂取しましょう。インスタント食品や加工食品、過剰な糖分や脂質の摂取は控えましょう。
5.1.2 運動
適度な運動は、更年期の症状緩和だけでなく、健康維持にも繋がります。ウォーキングやヨガなど、無理なく続けられる運動を見つけましょう。運動によって血行が促進され、自律神経のバランスも整いやすくなります。
5.1.3 睡眠
質の良い睡眠は、心身の健康にとって非常に重要です。寝る前にカフェインを摂取したり、スマートフォンを長時間見たりすることは避け、リラックスできる環境を整えましょう。規則正しい睡眠時間を確保することも大切です。
5.1.4 ストレス軽減
ストレスは更年期障害の症状を悪化させる要因の一つです。趣味を楽しんだり、リラックスできる時間を作ったり、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。アロマテラピーや瞑想なども効果的です。
5.2 ホルモン補充療法(HRT)
ホルモン補充療法(HRT)は、減少した女性ホルモンを補充することで、更年期障害の症状を改善する方法です。ただし、HRTは医師の診察と処方が必要です。副作用やリスクもあるため、医師とよく相談し、治療を受けるかどうかを判断しましょう。
5.3 漢方薬
漢方薬は、体質に合わせて処方することで、更年期の様々な症状に効果を発揮することがあります。更年期障害によるめまいに効果があるとされる漢方薬には、苓桂朮甘湯や半夏白朮天麻湯などがあります。漢方薬も自己判断で服用せず、医師や薬剤師に相談の上、服用しましょう。
5.4 サプリメント
更年期障害の症状緩和に効果が期待できるサプリメントには、大豆イソフラボン、エクオール、ビタミンD、カルシウム、EPA、DHAなどがあります。ただし、サプリメントは医薬品ではないため、効果には個人差があります。また、過剰摂取は体に悪影響を及ぼす可能性もあるため、摂取量を守り、バランスの良い食事を基本とするようにしましょう。
サプリメントの種類 | 期待される効果 |
---|---|
大豆イソフラボン | 女性ホルモンに似た働きをする |
エクオール | 大豆イソフラボンの一種で、より強い効果を持つ |
ビタミンD、カルシウム | 骨の健康維持 |
EPA、DHA | 自律神経のバランスを整える |
これらの改善策を試しても症状が改善しない場合、または症状が重い場合は、医療機関を受診しましょう。
6. 医療機関を受診する目安
めまいを感じた際は、まずは安静にして様子を見ることが大切です。しかし、めまいの程度や症状によっては、医療機関への受診が必要となるケースもあります。ご自身の状況に合わせて、適切な判断をしてください。
6.1 めまいが続く場合
めまいが数日以上続く場合は、医療機関への受診をおすすめします。更年期障害以外に、他の病気が隠れている可能性も考えられます。自己判断せずに、専門家の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。
6.2 激しいめまいの場合
突然の激しい回転性めまいや、立っていられないほどのふらつきを感じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。メニエール病などの病気が疑われます。早急に適切な診断と治療が必要です。
6.3 他の症状を伴う場合
めまいとともに、下記のような症状が現れる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。これらの症状は、重大な疾患のサインである可能性があります。
症状 | 考えられる病気 |
---|---|
激しい頭痛 | くも膜下出血、脳腫瘍など |
ろれつが回らない | 脳梗塞、脳出血など |
手足のしびれ | 脳梗塞、脳出血、多発性硬化症など |
物が二重に見える | 脳腫瘍、脳梗塞など |
意識障害 | 脳梗塞、脳出血、低血糖など |
耳鳴り、難聴 | メニエール病、突発性難聴など |
更年期障害によるめまいは、ホルモンバランスや自律神経の乱れが原因となることが多いですが、上記のような症状を伴う場合は、他の病気が隠れている可能性も考えられます。自己判断は危険ですので、必ず医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けてください。
7. まとめ
めまいは、更年期に起こる代表的な症状の一つです。更年期には、ホルモンバランスや自律神経の乱れが生じ、めまいを引き起こすことがあります。めまいの種類には、回転性、浮動性、動揺性などがあり、更年期障害では、めまい以外にも、ほてりやのぼせ、発汗、肩こり、頭痛、倦怠感、イライラなどの症状が現れることがあります。めまいを感じた時は、安全な場所で横になり、水分を補給しましょう。また、更年期によるめまいを改善するには、生活習慣の改善、ホルモン補充療法、漢方薬、サプリメントなどが有効な場合もあります。めまいが続く場合や激しいめまいの場合、他の症状を伴う場合は、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
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